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初めてお出会いしてから約1年半。この度無事竣工を迎えることができました。
敷地は京都の大宮五条。その一角にあります。
間口約6m。奥行き約14mという敷地。唯一東に開いた道路は幹線道路。光をどこから取込むか?という課題と共に音への対策も重要な課題でした。
東に面する壁面には2つの出格子と格子の引戸をバランスを考慮して配し明かりを取込むと共に、必要以上の開口は極力設けないようにしました。
2つの出格子は京都の町屋へのオマージュでもあり、街並みに直接影響を与えるであろう道路面に対する「落着き」を放ちたいとの意図から設けられています。
光の多くは、西側(敷地億側)に設けた段違いのルーフバルコニー及びテラスという「余白」によって取込むことを可能としつつ、プライベートな屋外空間を広く確保することで、屋内と屋外の繋がりをもたらし、限られた空間を広く見せる工夫を施しました。
1階には、黒モルタルで形成された通り土間や代萩ベニアといった「懐古」的な要素を散りばめることで、内外のバランスを取ると共に、2階から上はパイン材やテラコッタタイルを使った温もりある空間が広がります。
そして全体を通して「格子」という京都特有のモチーフが、空間に曖昧な繋がりと仕切りをもたらす落着きある空間に仕上がりました。 |