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全面をアルミルーバーで覆われた住宅です。
商店街の一部に面し、尚且つそちらが南側という敷地条件。
人通りの多い面に開放するのは、視線的にも心理的にも憚られる。でも、折角の南からの陽射しは取り入れたい。
そんな葛藤の末辿りついたカタチがコレでした。
3階リビングにはサンサンと太陽光が射し込み、窓を開放してもまったくプライバシーが侵される心配はありません。
それは、全面のルーバーだけでなく、深い懐を持ったテラスが中間に媒介しているからです。
そしてルーバーの両サイドには、新宿都庁の外壁にも使われている石状吹付けを施しています。
これはALC版という汎用品を用いつつも、ファサードの独自性を持たせることを意図しています。
まあ勿論、経年劣化に対応する意味も含まれていますが。
内部での試みは、強化ガラス床・化粧ルーバー天井・月とススキの風景をイメージした障子のデザイン・ステンレスで囲われたキッチン・スクリーンとプロジェクターによるリビングシアターなどなど数多くあります。
そしてそれらが、和でもなく洋でもない空間に統合されています。
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