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三谷幸喜脚本の映画「みんなのいえ」をご存知でしょうか?
デザイナーが設計した住宅を大工である自分の親が建てるというコメディ。
デザイナーは独自の理論で家を設計し、大工である我が親は昔気質の考えで勝手に変えて造っていく上で織り成される家創りを描いたものです。
この住宅は、そんな「みんなのいえ」的なエキス/思い出も詰まった住宅となっています。
そう、建てていただいたのはお施主様のお父様(大工さん)。
設計とは異なる「和」的な階段手摺だったり、意図しなかった和室の格天井だったりが、波乱を巻き起こしたりもしました。
丸太の梁を見せるんだ!と強く主張されたときは、どうしようかと思いました。
なぜなら、奥様から最初にご要望いただいた言葉は「宇宙のような異次元の空間を」とのことでしたので・・。
そんな紆余曲折がありましたが、出来上がった空間は所々ポップで、シンプルな感じに落着きました。
お父様とのせめぎ合いも確かにありました。しかし、出来上がって振り返ってみれば、お父様も私達設計者も、結局はお施主様に喜んでいただきたいという一心だったように思います。
外観前面に施されているのは「竹」。
それは、どこにもない(異次元)住宅の象徴とも言えるかもしれません。
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